【切手買取】文化人切手シリーズ　vol.15　木村栄切手

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木村栄切手とは

1952.9.26、文化人切手シリーズ第十五弾として、木村栄切手が発行されました。「キムラヒサシ」と読むそうです。

漢字だけを見ると「キムラサカエ」とも読めて、読み仮名違いの同姓同名の俳優さんもいるようですが、明治時代に活躍し、Z項という地球の経度変化を計測するための公式を新たに発見した天文学者のようですね。

木村栄の生涯

明治3年、木村栄は石川県の金沢で篠木家の次男として生まれ、親戚の木村家の養子となりました。養父の木村民衛は当時寺子屋を運営しており、読み書きソロバン、裁縫や押絵、謡曲やお経まで教えていました。

木村栄は4歳の頃より養父の下、勉学に勤しみました。子供らしい遊びなどはせず、毎朝6時から毎晩10時までひたすらソロバン・習字・漢字などを学び、木村塾でも頭角を現すようになります。

8歳の頃には、「小先生」と呼ばれ、他の生徒に素読を教えるまでになり、更に他の塾にも通って英語なども学ぶほどの勉強好きだったようです。

石川県中学師範学校に首席で入学し、数学に興味を持ち、第四高等学校本科第二部へ進学すると、今川覚神から天文学を学び、天文学に興味を持った木村栄は天文学を一生の仕事と決めたようです。

そして、帝国大学理科大学星学科に進学し、その後の木村栄の人生に大きな影響を与える天文学者・寺尾寿と地球物理学者・田中舘愛橘に出会い、寺尾寿には東京天文台に住み込みながらこってりと天文学の講義をしてもらうほどの親密な間柄となったようです。

その頃の天文学会ではちょうど、18世紀の天才数学者レオンハルト・オイラーが予言した地球の極運動の周期が実際の周期と異なっていることが、フリードリヒ・キュストナー等により明らかになってきた時期で、世界の天文学者は極運動の研究と緯度観測に夢中になっている時期でもあったようです。

万国測地学協会が地球の緯度変化を精確に捉えるため、田中舘を窓口として、「国際緯度観測事業」に日本も参加するよう求めていました。その観測を任されたのが当時、東京天文台にいた大学院生になった木村栄だったようです。

当時、西欧列強から見た日本は未開の後進国で、「国際緯度観測事業」の観測を任せられるかに対し、懐疑的だったようですが、29歳の若さで所長に抜擢された木村栄は、限られた人員、国内外からの科学者の容赦ない批判を撥ね退け、「Z項の発見」という大偉業を成し遂げ、天文学の世界でその名を知らしめることとなりました。

元々の天文学では星の観測雄結果をX項、Y項という公式で計算していましたが、Z項を加えるとこれまで以上に精確に緯度の計測が出来るようになり、現在でもこの公式が使われるほど、天文学上の大発見となったようです。

まとめ

明治期に生まれ、29歳の若さで国家の威信を背負い、世紀の大発見を成し遂げた木村栄切手ですが、並品で220円、美品では倍の金額で取引されるほど人気のある切手となっています。

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