ベトナム2020年レーニン生誕150年切手とは？
この切手を初めて見た時は、「ベトナムなのにレーニン？」ということに驚きました。
レーニンと言えば、ロシア帝国を打倒し、社会主義国家であるソビエト連邦を樹立した人物で、旧ソ連の父とも言われる人物ですが、遠く離れたベトナムでレーニン生誕を祝う切手が作られていることには驚きますね。
1955年～1975年にかけて、アメリカが支援する南ベトナムと旧ソ連が支援する北ベトナムで資本主義陣営と社会主義陣営の代理戦争ともいえるベトナムの統一戦争があったことは知っている方も多いと思います。
森林に潜む北ベトナムのゲリラ軍に悩まされたアメリカ軍が森林を根絶やしにするため、1961年から約10年にわたり枯葉剤を散布し、ゲリラだけでなく、アメリカ軍やベトナム民間児への健康被害も与える結果となりました。
長引く戦争の中で、アメリカ国内世論に押される形とは言え、ベトナム戦争はアメリカの敗戦という形で1973年アメリカ軍が撤退、1975年南ベトナムの中心地サイゴンが陥落し、北ベトナムによるベトナム統一となり、ベトナム社会主義共和国が誕生する流れとなりました。
旧ソ連の支援の下、統一を果たしたベトナムにとって「マルクス・レーニン主義」は重要な指針であり、帝政ロシアからの革命を成し遂げたレーニンは一言では言い表せない人物のようですね。
額面価格は4,000ドン（約18.25円）ですが、発行年月日が新しいながらも既にプレミアが付いている切手のようですね。
レーニンとは
一言でいえば、革命家です。第一次世界大戦から第二次ロシア革命期に活躍した人物で、23歳でマルクス主義グループに加わりました。25歳でジュネーブに行き、「労働解放団」と連絡を取り、帰国後逮捕されて、シベリアの流刑地で3年間を過ごします。
30歳で欧州に亡命し、ロンドン・ジュネーブ・ミュンヘンなどを巡りロシア人の社会主義者の組織を構築することに尽力しました。
第一次世界大戦中の1917年に第二次ロシア革命と言われる二月革命の報にドイツで接しましたが、戦時中にドイツからソビエトに簡単に行けるわけもなく、レーニンはドイツの軍部と交渉し、ドイツ人とは一切合わないとの取り決めの下、封印列車でスイスからロシアに入ることに成功し、ソビエト共和国樹立を目指しました。
しかし、ドイツを経由してロシア国内に入った為、スパイである可能性を疑われ、フィンランドへ一時的に亡命します。
ロシア国内で革命情勢が高まったのを確認し、ひそかにロシア国内に戻り、1917年11月7日の武装蜂起を成功させ、ソビエト政権の人民印会議の議長に就任しました。
「レーニン」にちなみレニングラードと呼ばれていたロシア第二の都市・サンクトペテルブルグはソ連崩壊後に多くのレーニン像が倒されましたが、防腐処理されたレーニンの遺体が公開されているレーニン廟は現在でも観光の名所となっています。
まとめ
帝政ロシアの労働者階級の開放に心血を注ぎ、現在でもマルクス・レーニン主義という言葉が残るほど、社会主義国家では影響力を持っているようです。
この切手の買取に関しては、外国切手ということもあり、日本国内での流通もなく、切手の買取も積極的ではない可能性もある為、あまり買取向きの切手ではないですね。
ベトナムの切手なので、あまり手に入ることは無いと思いますが、もし手に入ることがあれば自分のコレクションとして持っておいてもいいかもしれないですね。
