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【切手買取】菊切手とその時代背景Vol.2

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菊切手発売時期

菊切手は明治32年~明治41年(1899年~1908年)の9年間に渡り発行された切手です。

前回の記事では、大日本帝国憲法について触れましたが、この菊切手が発行された時期は1894年に日清戦争、1904年に日露戦争と明治日本初の対外戦争が行われた時期でもあります。

当時からロシアでは、冬でも凍らない不凍港を求めて南下政策をとっており、東アジアに影響力を強めていました。このロシアの動きに危機感を持ったイギリスは日本との不平等条約を改正し、同盟を結ぶ動きとなりました。

イギリス同様、ロシアの動きに危機感を持っていた日本は、朝鮮半島をロシアとの緩衝地帯として利用しようとしました。

当時の朝鮮半島では、清国の属国として清国と主従関係にありましたが、「眠れる獅子」と呼ばれた清国が「アヘン戦争」や「アロー戦争」により、イギリスやフランスに攻撃を受け、ロシアによる領土割譲までを受けており、朝鮮半島では、独立国として近代化の道を歩むべきと考える開化派とあくまでも清国の属国としてその庇護の下、国を守る守旧派に分かれ、激しい対立が起こりました。

このうち、開化派は日本との関係を重視し、日本から軍事顧問を招くなどして、軍隊の近代化に力を入れていました。しかし、こうした動きに不満を持つ守旧派により、開化派が襲われ、日本公使館の襲撃、公使館員の殺害、公使の追放が行われました。

この事件を口実に、朝鮮にいる日本人を保護する名目のもとに、朝鮮に日本軍が上陸する形となりました。この日本軍の動きを警戒した清国軍も朝鮮入りし、日清両軍の緊張は高まりましたが、この時は天津条約により、両国が朝鮮より撤兵し、事なきを得ました。

開化派と守旧派に割れた朝鮮では、清国による指導の下、国の立て直しを図る動きと独立国家として各国との関係を築こうとする並列した外交活動を行っており、諸外国との結びつきも強まった朝鮮では様々な近代化政策がすすめられました。

しかし、この近代化政策により、国家の財政が厳しくなり、農民たちが貧困に苦しめられるようになっていきます。

1894年の春ごろには甲午農民戦争が勃発し、朝鮮は清国に軍隊派遣を依頼し、清国による朝鮮支配を警戒した日本は再び朝鮮半島に軍隊を派遣し、日清両国の緊張感は急激に高まりました。

1894年7月、ソウル近くで日本軍と清国軍が激突、8月1日に日本軍が宣戦布告を行い、日清戦争が開戦し、約一年後、日本と清国の間で下関条約が締結され、日清戦争は日本軍の勝利で終結しました。

この日清戦争により、

  1. 朝鮮の独立
  2. 遼東半島、台湾、澎湖諸島の割譲
  3. 賠償金3億1千万円

と、下関条約により、日本の国益は守られるかに見えましたが、この日本の拡大路線に警戒感を募らせたロシアは、ドイツ・フランスと結び、遼東半島を返還するよう日本に圧力をかける所謂「三国干渉」が行われました。

ここにロシアと日本の因縁が出来、後々日露戦争に繋がっていきますね。国益を守る為、拡大路線を取る日本にとって初の海外との戦争であり、それに勝利した乗りに乗った時代に発行された切手だったんですね。

まとめ

明治維新後、国益を守る為、拡大政策をとる明治日本にとって、初の海外との戦争は勝利に終わりました。こうした時代背景を考えると、菊切手を見る目も変わりますね。

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