はじめに
古九谷は、日本の陶磁器の中でも最も美しく豪華なものとして知られています。しかし、その歴史は短く、約50年間しか焼かれませんでした。その理由や特徴について、このブログで紹介したいと思います。
古九谷の始まりは、江戸時代の17世紀後半にさかのぼります。当時、石川県の大聖寺藩では、前田利治という藩主が、中国から伝わった白磁器の製法を学び、自分の領地である九谷村で窯を開きました。その後、二代目の前田利明が事業を引き継ぎ、後藤才次郎や田村権左右衛門などの陶工を招いて、白磁器の生産を盛んにしました。
古九谷の特徴
古九谷の特徴は、その絵付けにあります。白い素地に青色の染付けや色彩豊かな上絵釉薬を施したものが多く、そのデザインは自由で大胆です。また、中国の明末清初の影響を受けた画風や形態が見られます。古九谷には、青手古九谷や色絵古九谷などの様式がありますが、どれも個性的で魅力的です。
古九谷は、その美しさと希少さから、高く評価されています。しかし、その製造は、元禄8年（1695年）頃に突然終わりました。その理由には諸説ありますが、一説によると、大聖寺藩が幕府から窯業を禁止されたということです。それ以降、約200年間もの間、九谷焼は途絶えました。
古九谷の終焉と再興
しかし、19世紀末になって、再興九谷と呼ばれる新しい九谷焼が誕生しました。これは、古九谷の技法やデザインを復活させようとしたもので、春日山窯や若杉窯などが有名です。再興九谷は現代まで続いており、多くの作家や窯元が活躍しています。
古九谷の鑑賞
古九谷は、日本の陶磁器文化の宝物です。その歴史や美しさを知ることで、より深く鑑賞することができると思います。古九谷に興味がある方は、ぜひ古九谷美術館や石川県九谷焼美術館などを訪れてみてください。
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